平成16年10月8日 平成15年度決算第二特別委員会(消防局関係)

04/11/15UP

平成15年度決算第二特別委員会(消防局関係)
平成16年10月8日



1. 決算の総括について
2. 救急有料化の検討状況について
3. 応急手当普及啓発について
4. 大規模災害時における支援消防力について
5. 惨事ストレスについて
6. 女性消防職員について


○大山委員
 平成15年度決算に関しての質問ということで、まず初めに事業実績の総括的な自己評価をお尋ねします。
 決算説明書に平成15年度に消防局が実施した事業の決算額の記載がありますが、これだけ多くの事業を実施している中では、事業別に見れば、成果とか効果の面で結果として多少でも濃淡が出てくるのではないかと思われます。そこでまず、決算の総括として、平成15年度の消防局事業のうち、市民サービスの面から特に行政効果が上がったと考えられる事業にはどういうものがあるか、伺います。

○河内消防局長
 市民サービスの向上に対する直接的な効果といたしましては、新しい消防通信指令システムで運用を開始したことによりまして119番受信体制が強化をされ、新たに聴覚視覚障害者からのEメール、ウエブによる災害通報の受信が可能となり、運用開始後28人の方から登録がありまして9件の救急要請があったこと、また、出場指令の迅速化が図られ、救急に関しては119番の受信から出場指令までの時間が運用開始前に比べまして17秒短縮したこと、さらには、南消防署大岡消防出張所に高規格救急車を1台増強配置したことにより同出張所周辺地域への現場到着時間が1分12秒短縮したことが挙げられます。

○大山委員
 救急隊の1隊増強を実施した結果、到着までの時間が短縮されたようですが、その救急隊については毎年出場件数が増加する一方であり、救急車要請の適正化を含めある意味で社会問題化していると考えているところです。この点について、我が団の中山委員が平成16年度予算市会で消防局に対し安易な救急車の利用を抑制する観点から救急車利用の有料化の検討の必要性を訴え、当局も検討課題としていく旨の答弁があったところですが、今春の予算市会の質問以降、救急有料化についてどのような検討を行っているのか、伺います。
《救急の実態》
区  分
平成5年
平成10年
平成15年
救急出動
91,885件
117,598件
153,237件
1日当り平均
252件
322件
420件
出動頻度
5分43秒
4分28秒
3分26秒
市民利用状況

36人に1人

29人に1人
23人に1人
人口
3,292千人
3,373千人
3,533千人
横浜市消防局HPのデータより
(1回の出動費用は、約4万円)
○河内消防局長
 現在、横浜市救急業務委員会におきまして、法令に定める救急の定義に該当しないと思われる救急事案について市民に負担を求めることが適当かどうか、あるいは、適当だとすれば法令に定める救急事案か否かの判断をいつだれが行うのかなどについて検討をお願いしているところでありますけれども、内容が市民に負担を求めること、具体としての判定行為が求められることなどであることから委員の意見はさまざまでありまして、12月の答申に向けまして取りまとめをしているところであります。
また、市民アンケートを実施しており、この中でも費用負担の問題を取り上げ、救急に係る市民意識を把握するための検討を行っているところであります。

○大山委員
 この問題については、我々としても注目しておりますので、引き続き検討を進めていただきたいと思います。
 また、救急の問題について、他方では救命率向上という大きな命題もありますので、次にこのテーマの質問に移ります。
 救命率を高めるためには、救急体制の充実強化だけでなく、救急車が現場へ駆けつけるまでの数分の短い間に、その場に居合わせた人が傷病者に対して何ができるのか、何を行ったのかが重要であります。このことの重要性にかんがみ、消防局では、決算書14ページの救急指導費にあるとおり、応急手当てに関する講習会を開き、広く市民に対し救命のための知識、技術を指導しているとのことです。
 そこで、このテーマで何点か質問していきたいと思います。まず、応急手当て普及啓発事業はどのような目的で、どういう目標設定をして実施しているのか、伺います。

○河内消防局長
 救命率を高めるためには、今先生がおっしゃっていただきましたように、救急車が到着するまでの間、救急現場に居合わせた者が適切な応急手当てを行うことが不可欠とされておりますことから、一人でも多くの市民の皆様にその要領を習得していただくことを目的としております。
 また、国の応急手当ての普及啓発活動のあり方検討委員会報告書によりますと、成人人口の20%以上の方が心肺蘇生法を習得することで死亡率が大幅に減少するとしていることから、本市におきましてもこれを目標に普及啓発に取り組んでおります。

○大山委員
 次に、そういった目標に向かって事業を展開しているのでしょうが、実際の講習会に参加し、この技能を習得した方々というのはどの程度いらっしゃるのか。あるいは、目標に対しての見込みの状況が気になるところであります。
 そこで、現在まで何人の方が受講をしているのか、また、目標達成に向けての今後の見通しについてはどのように考えているのか、伺います。

○河内消防局長
 平成15年度末現在で、普通救命講習というものを13万9,747人、上級救命講習というものにつきまして1万6,420人、合計で15万6,167人となっております。そのほかに応急手当て普及員を養成するための講習として806人が受講しております。
 現在、成人人口の7.5%に至っておりまして、中期政策プランに基づき計画的に推進し、今後も目標に向け努力してまいります。

○大山委員
 言ってみれば、かなり遠大な目標になるわけなので、中長期的にとらえ取り組むべき行政テーマの一つであろうと思います。
 次に、平成15年度における講習の開催回数と受講者は講習の種別ごとにどのようになっているのか、また、希望者が多く受講できないようなケースが発生していないのか、伺います。

○河内消防局長
 平成15年度は、普通救命講習684回、2万828人、上級救命講習52回、2,244人、応急手当て普及員講習3回、122人、合計739回、2万3,194人となっております。
 また、希望した講習会開催日に多数の申し込みが重なりまして希望に沿えない場合もありますが、その場合には受講日を変えて受講していただくようお願いをしているところであります。

○大山委員
 講習の種別に応急手当て普及員という資格が付与される講習がありますが、この応急手当て普及員講習を受けて普及員となった者はどういうことができるようになるのか、伺います。

○河内消防局長
 横浜市消防局が定めます3時間の普通救命講習をみずから開催し、心肺蘇生法、異物の除去、止血法などについて市民の方々に直接指導することができることとしております。

○大山委員
 応急手当て普及員は救命講習をみずから開催でき、その講習に参加した方々に救命講習を教えることができるということですが、そこで、平成15年度における応急手当て普及員による救命講習の実績はどうか、伺います。

○河内消防局長
 平成15年度の開催回数は40回でございまして、受講者数は908人でございます。

○大山委員
 先ほどの質問に対する回答にありましたが、成人人口の20%という目標値に近づけていくためには、もう少しスピードアップと何らかの工夫をしなければならないように思います。受講者をふやすための方法としては、講習回数をふやしたり、1回当たりの受講者数をふやすなど、事業主体側が開催手法を見直す方法がまず考えられますが、人、物、金が膨らむこともあり、この厳しい予算の中、実現に向けての課題も多いと思います。それよりも、応急手当てを普及してくれる方々をふやし、行政の枠の外でこの方々が広く普及に努めてくれる、つまり民間の力を大いに活用していく工夫がもっと必要な気がします。
 そこで、応急手当て普及員となった方々が企業や団体の中で組織的に機能するようさらに普及員の活用策を充実強化すべきと思うが、この点についてどう考えているか、伺います。

○河内消防局長
 消防局といたしましては、企業や団体等関係方面に対しまして応急手当て普及員による救命講習の実施を積極的に呼びかけるとともに、応急手当て普及員の方々には講習内容や指導方法について助言を与えたり、講習場所の提供や訓練用人形等の貸し出しなどを行いまして、側面から支援をしているところであります。

○大山委員
 応急手当て普及員の活用により、飛躍的とまではいかないまでも、受講者数の伸び率がもっと明確になることを期待しております。さらには、せっかく知識を学び技術を身につけた方々がもっと活躍しやすいような環境づくりも必要であると考えます。例えば、救命講習受講者が常駐している施設で、この施設には救命講習受講者がいますというようなサインを出すなど、有効に技能を活用する仕組みが考えられます。講習の結果、何人の方が救命行為を実施できるようになりましたという潜在的な数字の報告では済まさずに、もっと積極的に救命環境づくりにつなぐことができればと望んでいるところであります。当局の本事業に対するさらなる情熱に期待して、次の質問に移ります。
 きょうも台風22号が日本列島に接近してきておりますけれども、ことしは台風の到来が記録的で、大雨によって日本各地で何度も相当な被害を受けた年となっています。特に7月13日からの豪雨で新潟県では大規模な水害が発生し、15人の方が亡くなり、1万3,000棟を超える住宅が水につかるなど、大きな被害を伴うものとなってしまいました。被災地の消防活動に本市の消防局所属の部隊が派遣されたということを聞きましたが、こういった大規模災害時における応援、支援の関係について幾つか質問したいと思います。
 まず、新潟県の水害への応援要請は本市に対していつどのような内容でなされたのか、また、これはどういう根拠に基づくものなのか、伺います。

○河内消防局長
 平成16年7月14日12時50分でありましたけれども、消防庁長官から神奈川県知事を通じまして、新潟県三条市への応援として指揮支援部隊1隊、救助部隊3隊及び後方支援部隊1隊の出動要請があったものです。
 この根拠は、消防組織法第24条の3第1項に基づくものでありまして、被災市町村の属する都道府県知事からの要請を受け、消防庁長官が必要と認めて行われたものであります。

○大山委員
 次に、そういった要請を受けた後に派遣した本市からの応援隊はどのような規模のものか、また、現地でどのような活動をしたのか、伺います。

○河内消防局長
 要請部隊数にこたえることができると判断をいたしまして、指揮隊1隊5人、救助隊3隊15人、後方支援隊1隊5人、合計いたしまして5隊25人の派遣をいたしました。
 また、活動につきましては、指定されたエリアにおいてゴムボート等を活用した検索活動を行い、大腿骨骨折の女性1人を2階から担架にておろし救出したのを初めといたしまして、男5人、女9人の計14人の市民の方を救出いたしまして安全な場所に搬送をいたしました。

○大山委員
 相互に応援を行うための制度はわかりましたが、災害現場の実際の活動を考えると、現地の消防隊との有機的な連携が不可欠ですし、指揮命令がきちんと機能しなければならないと思います。応援に派遣された本市の部隊はだれの指示で動けばよいのか、また応援にも当然経費が伴うわけですから、そういった費用負担についても無関心ではいられません。
 そこで、一般的に被災地に派遣された部隊の指揮命令はだれが実施することになるのか、また、応援活動に要した経費の負担についてはどのようになっているのか、伺います。

○河内消防局長
 消防組織法の規定に基づきまして、被災地の市町村長またはその委任を受けた消防長が受け入れた緊急消防援助隊を指揮命令することとなります。
 また、活動に要した経費につきましては、消防庁長官の指示を受けて出動した場合には隊員に係る給与を除く旅費等、車両等の修繕費、燃料費などが国の負担となりまして、消防庁長官指示以外の出動の場合は応援を受けた市町村が負担することとされております。

○大山委員
 災害を受けるのは本市以外の自治体ばかりではありません。本市が地震や水害で大きな被害をこうむることを想定した準備も大事なことだと思います。特に、本市のような大都市では大規模地震に対しての備えがとても重要であります。
 そこで、もし本市が震災で被災したとき、どのような状況の場合に応援を要請することになるのか、また、その手続はどのようにするのか、伺います。

○河内消防局長
 要請基準につきましては、震度6弱等の震度階に基づく被害予測や、災害監視カメラやヘリコプターテレビ映像情報、さらには消防隊や消防機動二輪隊等の情報によりまして、同時多発火災の発生あるいは大規模耐火建物の倒壊などを確認して、活動中の消防力を勘案し対応しがたい状況と判断したときに応援を要請することとしております。
 その手続といたしましては、消防局長から市災害対策本部長であります市長に対しまして緊急消防援助隊の応援要請を具申いたしまして、承認を得た後、神奈川県知事を通じ消防庁長官あて派遣要請を実施することとなります。

○大山委員
 要請後、他都市の部隊が駆けつけてきてくれる、そんな場面を考えたとき、本市ではきっと大混乱の状況ではないかと思います。そんな中、いずれかの都市の部隊が来ると決まったとしても、その部隊はどういう形で本市に来て活動に入ろうとしているのかイメージしにくいのですが、そういった場面に関し質問します。
 その要請により駆けつけてくる応援部隊とはどのように連絡調整し本市の活動に入っていくことになるのか、また、受け入れる側として配慮していることは何か、伺います。

○河内消防局長
 連絡調整といたしましては、神奈川県に設置されます緊急消防援助隊調整本部、あるいは被災地に設置されます緊急消防援助隊の支援本部を通じて調整することとなります。また、本市への応援部隊の受け入れにつきましては、陸上部隊は青葉消防署駐車場ほか2カ所、航空部隊は横浜ヘリポート、水上部隊は鶴見水上消防出張所を集結場所としてあらかじめ指定しておりまして、投入する被災行政区へは当該消防地区本部が誘導することとしております。
 また、配慮する点といたしましては、受け入れ部隊に対し、活動地域の地図あるいは携帯無線機などの資機材の貸与、そして燃料や食糧の補給などであります。

○大山委員
 さて、消防機関の保有する部隊間の応援も重要ですが、本市の中でも災害時にできることはまだあると思います。消防職員や消防団員以外のマンパワーをいかに生かすかが、人の手が足りない災害状況下では避けて通れないテーマであろうと思います。警察では空き状態になりがちな交番に警察官OBを活用しているようですが、消防の場合は、大規模災害時こそ、消防OBの方にも業務を手伝ってもらいたいような場面もあるような気がします。
 そこで、OBの活用策に関し質問したいと思いますが、事前に本市で聞くところでは阪神・淡路大震災の後にそういったことの制度化を図ったということですので、その中身についてお尋ねしていきます。まず、他都市の支援のほか、震災時には本市消防OBにも支援活動をお願いしていると聞いたが、OBに対し何を期待し、どのような活動をしてもらおうとしているのか、伺います。

○河内消防局長
 横浜市消防活動支援OB隊と呼称しておりまして、大規模な地震により市内に甚大な被害が生じた場合、OBの方が居住する地域を管轄する消防署長の依頼を受け、災害情報の提供及び伝達、応急救護活動、消火活動、救助救出活動などの支援をしていただくこととしております。

○大山委員
 この制度はOBとなる職員の意思によって成り立っているそうですが、みずから申し出て登録してくれる方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。そこで、そういった活動に従事する消防OBの方は制度創設時何人で、そして、今現在何人いるのか、伺います。

○河内消防局長
 OB隊は、平成8年12月に発足をいたしまして、当初は237人の方に登録をしていただき、その後84人の増となり、平成16年4月1日現在は321人となっております。

○大山委員
 そのような人数の方がいるのですが、OB支援隊として登録をした方々は平素どのような活動を行っているのか、また、災害活動でけがをした場合、その補償はどのようになるのか、伺います。

○河内消防局長
 平常時におきましては、震災時に消防署が行う活動やOB隊が行う支援業務を確認するための研修会への参加、9月1日の防災の日を中心とした各区の震災対応訓練への参加などがあります。
 また、災害活動において負傷した場合の補償につきましては、状況に応じて横浜市消防団員等公務災害等補償条例を適用することとなります。

○大山委員

 今後も元気なOBの方が一人でも多く参加されるよう期待して、次の質問に移ります。
 消防職員の方々は、数々の災害現場で我々の日常では想像のつかないような状況下での消防活動や救出救助に当たることから、被災者と同様な強い精神的ショックを受けることがあろうかと思います。市民を助けたい、助けるのだという信念を持って、みずからの危険を感じつつも任務であると自分を奮い立たせ、一般には遭遇し得ないような壮絶な場面をじかに体験することが多いはずで、そういった際、消防職員が感じるのを惨事ストレスというのだそうですが、まず最初に、惨事ストレスとはどういうことをいうのか、また、全国的に見た実態にはどのようなものがあるのか、伺います。

○河内消防局長
 惨事ストレスは、消防、警察、自衛隊などの関係者が災害現場で悲惨な状況や危険な状況に直面したことにより、不眠や精神的な落ち込みなどの症状に陥ることをいいます。
 阪神・淡路大震災以降注目をされ始めまして、平成13年の大阪府池田市における小学校の児童殺傷事件や新宿歌舞伎町の雑居ビル火災、平成15年の神戸市の住宅火災や三重県のごみ固形化燃料貯蔵槽の爆発によります同僚の死傷事故、最近では長崎県佐世保市における小学校の同級生殺害事件などに対応した者が惨事ストレスに陥ったと聞いております。

○大山委員
 今お聞きしますと、消防職員ならば、どの自治体の消防であっても、任務を遂行する上で嫌でも遭遇する可能性があるという気がします。そこで、本市においてはこれまで惨事ストレスが発生した顕著な事例はあるのか、伺います。

○河内消防局長
 一時的に食欲不振などに陥ることはあったと聞いておりますけれども、継続的に業務や生活面に支障を来したような顕著な事例は報告をされておりません。

○大山委員
 惨事ストレスは、消防職員の立場では常に背中合わせというか切り離して考えるわけにはいかないものであると思います。ですから、ストレスは当然あるものとして、ストレスに対しきちんと向き合い、認識した上で以降に引きずらないようにしなければならないと考えます。
 そこで次に、惨事ストレスの解消にはどういう方法が有効で、そのために本市ではどのような対策を実施しているのか、伺います。

○河内消防局長
 悲惨な現場等で活動した場合、早期に部隊単位でミーティングによる自由な会話を促し、自分のストレスを他の隊員に話すことによりまして、同じ思いを共有させることが惨事ストレスの解消に大変有効とされております。
 これで解消できない場合は、臨床心理学の専門家や一定の知識を持った職員を加えたグループミーティングの実施が有効とされておりますので、平成13年度から職員に対して講習会を実施し、惨事ストレスに関する基礎知識や部隊ミーティングの実施方法などの教育を行っております。また、平成15年度には惨事ストレスケア実施要領を制定して体制を整えるとともに、全職員に惨事ストレス対策の手引を配付いたしました。

○大山委員
 当局としても力点を置いて取り組んでいることがうかがえますが、もしそのような方法を現場である消防署所を中心に展開したとしても、必ずしも効果がすぐあらわれてくるものとは限らないと思います。特に深い心の傷となってしまう、いわゆるトラウマとかPTSDのような状態になる前に手を打つことが必要だろうと思いますが、このように一般的な対策では効果が出ない場合のことにも配慮しなければならないと考えます。この点について、ストレス解消が難しいような場合にはどういう対応をするのか、伺います。

○河内消防局長
 グループミーティングなどでも解消できない場合には、総務局にケースワーカーと専門医で構成をする第一職員健康相談室が設置されておりますので、連絡調整を図り、カウンセリングを行うとともに状態に応じて医療機関の紹介等をしていただくようにしておるところであります。

○大山委員
 外部の専門家によるサポート体制がとられていると聞き、惨事ストレス対策への積極的な取り組みに評価をしたいと思います。
 最後に、今後の考え方をお聞きしたいと思いますが、今後この対策の実効が上がるようにしていくためにはどのような取り組みを実施していくのか、伺います。

○河内消防局長
 年ごとに職員の新陳代謝や異動がありますので、全職員が惨事ストレス対策を正しく理解するための講習会等の継続、そして部隊ミーティング等の進行役となる隊長教育の充実に努めまして、第一職員健康相談室とも連携しながら今後対応してまいりたいと考えております。

○大山委員
 それでは最後に、女性消防職員について伺います。
 早速ですが、現在の女性消防吏員数は何人か、また、消防吏員全体に対する割合は何%ぐらいなのか、伺います。

○河内消防局長
 現在、女性消防吏員は66人おりまして、消防吏員全体の2%となっております。

○大山委員
 従来は日勤、つまり9時から5時までの時間帯に、消防車や救急車に乗務することなく、主に防災指導や検査など予防業務に従事するのが女性吏員の業務として当たり前なようですけれども、時代は変わり、今や男性と一緒に当直業務をこなす女性吏員もいるとのことですが、そこで、24時間交代制の職場に勤務する女性消防吏員は何人か、また、どういう業務を担当しているのか、伺います。

○河内消防局長
 交代制職場には29人の女性消防吏員が勤務をしておりまして、救急業務、119番通報の受信などを行う指令管制業務、火災原因調査業務を担当しております。

○大山委員
 多様な職場に女性消防吏員が配置され業務に当たっていることがわかりましたが、当直業務に女性消防吏員を従事させている消防機関というのは、全国的に見たとき、どのような状況なのでしょうか。本市の消防局は先駆的に女性吏員を採用した経緯がある中で、この点でもどういう状況なのか、伺っておきたいと思います。
 そこで、24時間交代制勤務の女性消防吏員の割合について、ほかの政令市と比較した場合どういう状況なのか、伺います。

○河内消防局長
 本市では、女性消防吏員のうちの43.9%が交代制勤務についております。全国消防長会の資料では、政令市全体の平均が34.3%であり、全国平均よりも高い割合となっております。

○大山委員
 全国レベルにおいても平均レベル以上であるということですが、次に、本年3月に消防庁から女性消防吏員の職域に関し通知が示されたようですが、これはどのような趣旨の通知なのか、伺います。

○河内消防局長
 女性消防吏員については、女性労働基準規則で定める、重量物を取り扱う業務や有害物のガス等の発散している場所での業務への就業制限の適用がありますが、これをもって災害現場における消火活動などいわゆる警防業務のすべてから排除することは適当ではなく、各消防本部においては必要な安全管理を確保するなど女性消防吏員の警防業務への職域拡大について積極的な取り組みを求める、そういった趣旨であります。

○大山委員
 そういった趣旨の通知が出されたわけですが、各消防機関ではこれに沿った対応をすることが必要になってくるのかと思いますが、最後に、この通知を受けて、本市は今後、女性消防吏員の職域拡大についてどう取り組んでいこうとしているのか、伺います。

○河内消防局長
 今後は、職員の意欲や適性等に応じまして、火災原因調査や消防車両の運転操作業務などへの配置を進めますとともに、消防本部への配置も拡大していきたいと考えております。

○大山委員
 ありがとうございました。

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