大山しょうじの PHOTO News

06/07/24
浅野史郎前宮城県知事の講演 〜政治家としての引き際〜


 7月15日(土)、浅野史郎さん(現在 慶応義塾大学教授、前宮城県知事)の講演を聴く機会を得ました。宮城県知事時代の「三位一体の改革」を巡る、政府と知事会の綱引きの話を、義務教育費国庫負担金などを例に話をされました。
知事就任直後、食料費の不適正支出やカラ出張問題を組織自ら解明したことをはじめ、浅野さんの「改革派知事」としての実績については、改めて触れませんが、私が一番印象に残っていたのは、3期(12年)で57歳の時にスパッと知事を辞めた、浅野さんの「政治家としての引き際」でした。
「どうして知事を辞めたのか?」せっかくの機会でしたので、質疑応答の時間に質問しました。

(浅野さんの回答要旨)
・3期12年、同じことを年中行事のように12回続けていると新鮮味や緊張感がなくなる。
・「四選出れば楽勝」の声が多かった。現に知名度も抜群になり、よほどのスキャンダルがない限り、選挙は万全になる。それだから辞められなくなる。四期やったら、五期もやろうと必ずなる。このままでは、「知事以外のことができない身体」になってしまう。60歳前(57歳)ならば、まだ新しいことを始められる。知事でないからできることもある。(→大学教授として転進された。)などなど・・・。

いい悪いは別として、これまでは、「死ぬまで議員をやる」という政治家が多かったし、「絶対に負けるはずのない知事選挙に出ない人」など考えられなかったと思います。
しかし、これからは時代も変わり、浅野さんのように「知事や議員を辞めた後、新しく何か違うことを始める。」そのような政治家が少しずつ増えてくるものと思います。浅野さんには、そんな人生を歩むパイオニアとして、これからも「勝手に」エールを送りたいと思います。「政治家としての引き際」を考えさせられたとてもいいお話でした。