「16年度予算編成に向けての政策提言書」に対しての横浜市の回答

04/05/10UP

2.福祉・保険・医療


市立保育所の更なる民営化を促進し、障害者施設や高齢者施設等についても民間委託の検討を急ぎ、出来るところから“民の力”をこれら施設運営に生かすこと。他方、重度重複障害者・児、ケア困難な高齢者などは、行政の責任を明確にした運営方法を検討すること。 「今後の重点保育施策(方針)」に基づき、引き続き、市立保育所の民間移管を進めてまいります。
市直営の障害児・者施設につきましては、「横浜市福祉施設のあり方アクションプラン」に基づき、計画的に順次民営化をすすめてまいります。
高齢者施設については、直営の特別養護老人ホームを廃止し、跡地に社会福祉法人等が特別養護老人ホームを整備・運営していきます。養護老人ホームについては、国の動向を見極めながら、民営化を含め、あり方を検討していきます。
なお、ケア困難な高齢者については、医療依存度の高い入所者の受け入れを促進するため、民間の特別養護老人ホームに対する新たな助成措置等を導入していきます。

(1)
学校の余裕教室を活用して、小規模福祉施設を配置し、地域社会の安心センターとして地域の福祉力を高めていくこと。
(例 高齢者グループホーム、小規模デイサービス、障害者グループホーム、地域作業所、子育て支援施設、放課後児童保育施設など)
学校の空き教室の活用につきましては、旭区ひかりが丘小学校、青葉区藤が丘小学校において民間保育所の分園の整備を実施しており、今後も教育委員会と協議のうえ、引き続き検討し、進めてまいります。
学校の余裕教室につきましては、現在、既存の公共施設の有効活用を図る視点も踏まえ、「余裕教室活用指針」を策定中です。
障害者グループホームにつきましては、障害者の生活の場であることから、学校施設内への設置は困難であると考えておりますが、地域作業所等の障害者小規模通所施設等につきましては、個々の状況を見ながら検討してまいります。
小規模デイサービスは、身近なところで、きめ細かなサービスを提供するものとして有効な方法の一つであると考えておりますが、実施場所として学校等公の施設の利用については、今後の研究課題としてまいります。
なお、高齢者グループホームは「生活の場」であることから、学校敷地内での整備は適切でないと考えております。
精神障害者グループホーム・地域作業所については、地域の配置バランスや他の支援施策との関連を考慮しつつ、設置母体となる団体の育成と運営費等の助成により整備を進めてまいります。

(2)
そのための支援センターを各区に設置し、区の実情に応じた柔軟な福祉施策を行なうこと。 余剰教室の活用と併せて、検討してまいります。
本市の自治体調達とてして、障害者地域作業所等の製品購入を拡大し、就労機会、就労の場の確保をはかること。その際、専門家による適切な技術、販路開拓支援を行うなど安定的な需給体制をつくること。 本市から授産施設に対する発注としてましては、封筒の点字打刻、広報よこはまの点字版・録音版の作成、名刺の印刷等を契約しているほか、地域作業所や授産施設の製品を、本市が行う行事や式典等の記念品への活用等を図っています。
また、地域作業所は、生活訓練や軽作業を行うほか、自主製品の製作などを行っていますが、作業所が自主製品を開発・製作する際に、その分野に秀でた専門家等の技術指導者の指導を受けるための謝金を助成する制度があるほか、製作された製品を販売するために、ハートメイドという統一ブランドで、カタログ販売・通信販売を行っています。
障害者の就労を促進するため、就労援助センターを通じ、就労支援を行うとともに、16年度は新規事業として、知的障害者雇用拡大事業や、知的障害者ホームヘルパー3級養成研修を実施し、障害者の就労機会の拡大を図っています。
地域作業所等製品の宣伝用パンフレットの作成・配布等をとおして販売の支援を行っておりますが、引き続き販路の拡大に取り組んでまいります。
民間や地域の資源を活用した保育、福祉を推進するため公立保育所の民営化や高齢者支援施設を順次拡大するとともに、特に多様な保育ニーズに対応するため、地域の保育力活用した施策の充実と拡大をはかることまた、生活エリア内での保育所保留児解消や特別養護老人ホーム待機者ゼロに取り組むこと。
運営に際しては、サービス機能向上のためのチェック体制の充実をはかること。
平成15年4月に策定した「今後の重点保育施策(方針)」に基づき、多様化する保育ニーズに、積極的に対応してまいります。平成16年度予算案では、長時間保育や一時保育の実施施設数の大幅拡大や、本市として初めて休日・年末年始保育をモデル実施するほか、病後児保育も実施施設数を1か所増やし6か所で実施することとしております。また、障害児保育の拡充策として、「特別支援児童加算制度」の創設や、一時保育助成に障害児加算制度を創設するなど、様々な新たな取組みを計上しております。
特別養護老人ホームの整備につきましては、民設民営方式で整備することを基本とし、補完的に市有地貸与により整備することにしており、現在のところ、民設特養の設置希望者が多数いる現状から、建て替えを除き市有地貸与を実施する予定はありません。
また、介護保険事業計画に基づき、17年度末までに入所の必要性が高い原則要介護3以上の方の入所待ちを解消するため、引き続き整備を促進してまいります。
保育所については、引き続き、「中期政策プラン」に基づき、市有地や学校の余裕教室を活用し、資源の効率的運用により限られた経営資源で最大の効果が得られるよう、民間保育所の積極的な整備を行い、待機児童の解消を進めてまいります。
  高齢者の就労機会の確保策として障害者施設などで活躍できる「福祉−連携事業」の発足を検討すること。 高齢者が、その経験や知識を生かして障害者施設のほか保育所等において活動することにより、地域の世代間交流の活性化を図ることは有効であると考えます。施設における職員採用は、運営する法人がその判断で各施設に合わせた雇用を行っておりますが、本市としては、今後も、ボランティア等による交流活動等を通じて、その経験や知識を生かせるよう支援してまいります。
市立病院あり方検討を踏まえ、港湾病院の民営化と民営化にあたっては適切な法人選定はもちろん、市民にとって有益な病院経営を担保すること。また市民病院等の公立医療機関の運営についても、経営責任等が明確になる公営企業法の全部適用に経営形態を早期に移行すること。 新港湾病院については、市民に対する政策的医療を効率的な病院運営のもとに確保するために「日本赤十字社」を指定管理者に指定し、平成17年4月の開院を目指してまいります。
また、市立病院の経営形態については、平成17年度を目途に「地方公営企業法」の全部適用に変更し、抜本的な経営改革に取り組むこととし、病院事業管理者予定者の配置など、準備を進めてまいります。
市民の健康を24時間365日守るため北部及び南部夜間急病センターの深夜帯実施を行うこと。救急医療体系の充実拡大のため、医師法第19条の趣旨を生かした条例の検討を進めること。 救急医療体制については、関係団体とも協議しながら、引き続き充実に向けて取り組んでまいります。
精神科救急をはじめとして、ホームヘルパーの派遣、精神障害者グループホームの障害者福祉施策の充実強化をはかること。 精神科救急、ホームヘルパー派遣等や精神保健福祉相談につきましては、今後も充実に努めてまいります。
(福祉保健)センターの24時間体制の実現など、地域福祉のセンターとしての機能拡充のため、夜間も電話相談だけでなく実際に活動できるなど業務の見直しを行うこと。 福祉と保健に関する相談からサービス提供まで一体的に対応できるよう、区役所福祉部(福祉事務所)と保健所の組織を統合し、福祉保健センターを平成14年1月1日に設置しました。
今後、福祉保健センターにおけるサービスの向上に向け、センターのあり方等を検討してまいります。
区の機能強化を図るなかで、福祉保健センターの機能の充実に、今後とも努めてまいります。
10 生活支援サービス付きの高齢者住宅の供給拡大や高齢者、障害者等用の民間住宅建設が促進されるよう容積緩和、住宅ローン無利子貸付けなどの誘導施策の充実と拡大。 高齢者の住宅施策につきましては、まず、高齢者の多様なニーズに対応するため、民間活力を活用した、生活支援サービス付の高齢者向け優良賃貸住宅の供給を引き続き進めます。また、高齢者等が保証人を立てられない場合でも民間賃貸住宅へ安心して入居できる仕組みづくりを進めるとともに、既存民間住宅のバリアフリー化の推進のため、相談体制の充実や低利な融資制度の創設を進めます。高齢者や障害者等が利用しやすいよう、広い浴室、便所、廊下等を住戸内に確保した場合における容積緩和(ハートビル法適合建物容積緩和許可基準)や、敷地内に公開空地を整備した場合における容積緩和(横浜市市街地環境設計制度)など、都市計画の容積率制限を超えて建築することができる容積緩和の制度があります。
11 小児医療費の無料化を就学前児童まで対象拡大に努めること。 今日の大変厳しい財政状況下における限られた財源の中ではありますが、平成16年1月から5歳児の通院について助成を拡大するとともに、5歳児の入院助成についても所得制限限度額を通院助成の所得制限限度額と同額に緩和いたしました。今後も、財政状況を見ながら小学校就学前まで拡大できるよう努めてまいります。

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