平成17年度予算第一特別委員会(環境保全局関係:平成17年3月2日)質疑

05/03/20UP
平成17年3月2日開催、平成17年度予算第一特別委員会(環境保全局関係)において、質問を致しましたのでご報告致します。
(質問項目一覧)
1. 地球温暖化問題について
○大山委員
 2月16日に京都議定書が発効しましたが、これまでを振り返ってみますと、92年の地球サミットにおいて京都議定書のもととなった気候変動枠組み条約が採択され、この条約を日本やEU各国はもちろん、アメリカやオーストラリアなど京都議定書を批准していない国も含め世界190カ国が批准しました。このことは世界じゅうの国々が地球レベルの気候変動問題を危惧し、ともに行動していこうという意思のあらわれであります。しかし、そのような状況にありながら、97年に京都会議で議定書が採択されてから発効までに7年余りという長い年月がかかってしまいました。
 一方で、人類の歴史の中でこれほど地球環境問題について長く交渉されたこともなかったのではないかという見方もできると思います。私どもは京都議定書の発効は地球環境問題に対する非常に大きな一歩であり歓迎しておりますが、同時にそれは我が国が温室効果ガスの削減に対して法的な義務を含めた大きな責任を背負うことになります。
 そんな中、京都議定書の発効を契機に、最近地球環境問題についてマスコミ等でも多く取り上げられ、関心も高まっています。温暖化対策の取り組みを広く市民、事業者に浸透させ、協働した取り組みを進めていくためには今が非常によいタイミングであるとも考えております。私はこの機をとらえて、横浜市においても地球温暖化対策をさらに拡大充実していくべきだと思っています。
 そこで、地球温暖化問題について何点か伺います。
 国際会議の舞台となった京都市ではいち早く地球温暖化対策の条例を制定していますが、他都市で地球温暖化対策に対して同様の条例を制定している事例はあるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 京都市では京都市地球温暖化対策条例を制定し、平成17年4月1日から施行する予定でございます。地球温暖化対策に特化した条例を制定している都市は、今のところ京都市だけだと聞いております。

○大山委員
 市民へのわかりやすさから考えると、地球温暖化対策に特化した条例は意義があると思います。そこで、京都市が制定した条例にはどのような特徴があるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 この条例は、京都市が掲げております温室効果ガス排出量の10%削減の目標達成に向けまして取り組みを強化するための全国で初めての条例でございます。主な特徴でございますが、平成22年までの削減目標を条例に明記したこと、それから、市民、事業者、行政のほか観光旅行者なども対象としていること、おおむね3年で条例の見直しを定めていることなどでございます。

○大山委員
 観光客も含むということで京都ならではという感じもします。議定書の舞台となった京都という地の利のようなものもありますが、やはり全国に先駆けて地球温暖化対策に特化した条例を制定したということは、環境問題に先進的に取り組んでいるのだという市民や事業者に対してのアナウンス効果も大きいと思います。
 本市は温暖化対策に特化した条例は制定していませんが、横浜市における温暖化対策の施策体系はどのようになっているのか、伺います。

○小野環境保全局長
 横浜市におきましては平成13年に地球温暖化対策の基本となります横浜市地球温暖化対策推進計画を策定いたしました。この計画に基づきまして、大規模排出事業者の地球温暖化対策を進めるための横浜市生活環境の保全等に関する条例を制定いたし、また、市民、事業者の理解と実践の促進を図るためにエコハマ温暖化防止アクションプランを定めております。このほか横浜市役所みずからの排出を抑制するために、横浜市役所地球温暖化防止実行計画を策定するなど体系的に取り組んでおるところでございます。

○大山委員
 それでは、その京都市の条例と横浜市の施策を比較した場合、それぞれどのような先進性の違いがあるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 ただいま申し上げましたように本市におきましても既に大規模排出事業者に対します条例を制定しておりまして、京都の条例の内容とほぼ同様の施策も実施いたしております。一方で、京都市の条例におきましては、市民、事業者、行政のほか観光客も取り組み主体にして位置づけるなど、京都市ならではの特徴があると認識しております。

○大山委員
 地球温暖化防止に向けては行政が率先して行動することはもちろん大事ですが、それだけではなかなか大きな削減は難しいのが現状です。これはどの都市にも言えることだと思います。本市でもG30の取り組みのように365万市民一人一人が地球温暖化防止に向けて取り組んでいくことが大事ですが、そのためには相当な工夫が必要であると思います。市民がやらされているのではなく、自主的に意識を持って取り組んでいくためのうまい仕組みづくりを行政には考えていただきたいと思います。
 そこで、環境行動都市横浜として市民に地球温暖化問題に対する取り組みを浸透させるためどのような施策を考えているのか、伺います。

○小野環境保全局長
 本市におきます特色ある取り組みでございますが、夏は夏らしく、これは冷房温度の設定でありますとかノーネクタイ運動などでございますが、それから子供省エネ大作戦などを実施してきておりますので、この取り組みの継続がまずは重要だと考えております。今後はさらにこれらの取り組みを拡大いたしまして進めていくこと、それから地球温暖化防止と密接に関係しておりますG30の取り組みとの連携を強めていくことによりまして、市民、事業者を巻き込んだ大きな運動にしてまいりたいと考えております。

○大山委員
 何の取り組みにしても市民一人一人の意識改革が重要なのは言うまでもありません。G30のごみの問題は毎日の生活のことでもありますし取り組まざるを得ない部分もありますが、大上段に地球温暖化防止というと、どうしても遠い世界、自分とは関係のないものと思われがちでもあります。どうか市民一人一人が意識を高く持って前向きに取り組んでいくような啓発や仕組みづくりに今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。

2. 源流域水環境基礎調査について
○大山委員 
 次に、源流域水環境基礎調査について伺います。
 新年度に局再編の一つとして、環境保全、緑政、下水道の3局が統合され、環境創造局が誕生します。従来の3局が培ってきた業務上のノウハウや所管する環境資産などを局再編により、より効果的に組み立て、より効率的な業務の執行を図るとともに、市民にとってわかりやすい事業として展開していくことも重要であると思います。
 そこで、3局再編の柱の一つであります水、緑などの環境への総合的な取り組みを進めていく必要があると思います。また、市民にとって象徴的で、ほかの大都市には見られない数多くの源流域や谷戸の動植物の実態を把握することは非常に大切なことであると思います。そして、これらの調査を通して得られたものは、未来へ引き継ぐ子供たちへの環境教育にとってその意味の重要性が高まります。
 環境保全局が平成16年度から始めた源流域水環境基礎調査には私は大変興味を持っていますが、この調査の目的と内容について伺います。

○小野環境保全局長
 本市の特徴といいましょうか、他の大都市、大阪でありますとか東京、名古屋などの区部、市内と異なる点は、横浜市は大変丘陵に富んでといいましょうか、たくさんの谷戸があるわけでございまして、そういう意味で源流域に生息する鳥類や植物、水生生物などの状況を調査することで水や緑の総合的な環境の水準を把握することを目的としているものでございます。
 平成16年度の調査地点でございますが、緑の基本計画で定めております緑の七大拠点の中で三保新治地区やこどもの国周辺などを対象としまして植物や生物等の調査を行うとともに水質調査などを行っております。さらに、17年度につきましては帷子川水系を予定しておりまして、18年度につきましては南部地域を対象地域として考えてまいりたいと思っております。

○大山委員
 この調査事業は16年度から行っているわけですが、これまでの調査でどのような結果が得られているのか、伺います。

○小野環境保全局長
 平成16年度の夏季調査によりますと、絶滅危惧種でございますホトケドジョウやオオタカを初め魚類で11種類、鳥類が40種類、オニヤンマなどの昆虫類が100種類でございます。そのほか底生動物93種、水生植物類が271種類など多く確認されております。また、源流域の水質の状況は大変良好な状況だという結果が得られております。

○大山委員
 調査の途中だということで対象地域も横浜市北部だけの結果ですけれども、都市横浜の中でも魚類などのいろいろな生物が見つかっているのだとちょっと驚きもあります。
 そうした生物の分類に当たっては専門的な内容であるとは思いますが、今後この調査結果をどのように活用していくのか、伺います。

○小野環境保全局長
 ホームページなどで源流域の動植物の現状を広く伝えまして、源流域の環境の保全に対する理解を深めてまいりたいと考えております。また、今後市内の源流域を取り巻く水辺や緑を生かした自然環境の保全創造を計画的に進める上での基礎的な資料としてまいりたいと思っております。さらに、環境に対しまして子供たちを含めた市民意識を一層高め、さらなる環境改善の力につなげていくことが大事であると考えております。

○大山委員
 このような水や緑を保全するための調査事業は今後の施策を検討していく上で重要であり、市民に広く、わかりやすい情報の提供なども含めて地道に継続してほしいと思います。また、市内における貴重な源流域の保全や環境資産の未来への継承など、子供たちや市民にとって環境教育、環境学習の観点からも極めて重要な事業に展開していく可能性を持っていると思いますので、積極的な取り組みを期待します。

3. 光害としてはどういう範囲が含まれるのか
○大山委員
 次に、光害に関してですが、本市のような大都市では照明は防犯や交通安全などの対策として重要な役割を持っていますが、一方でさまざまな形で我々の快適な生活環境に影響を与えています。先ほども話がありましたが、けさの新聞報道等にも出ておりますが、平成17年度に実施予定の光害に係る基本調査に関連して私も伺ってまいります。
 まず、光害としてはどういう範囲が含まれるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 平成10年3月に旧環境庁が策定いたしました光害対策ガイドラインでは、居住環境や天体観測、農作物や動植物などへの悪影響を対象といたしておりまして、本市の検討におきましても基本的にはこの範囲が調査対象と考えております。

○大山委員
 市民の中には天文ファン、星空ファンも多いと思います。星空の観測は科学的な興味に加え、都会に住む我々の心をいやしてくれたり、はるかかなたの星に思いをはせる子供の豊かな感性をはぐくむなどとても大切なことであるとは思います。
 そこで、本市においてこれまでに星空に関する調査を行ったことはあるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 旧環境庁が昭和63年から全国星空継続観察を夏と冬に実施してきておりまして、これは星空観察を通して大気環境保全に関する国民の認識を高めようとするものでございます。本市もこの事業を広報よこはまなどを通じ市民に参加を呼びかけて実施してきております。

○大山委員
 今の答弁で全国的な調査を実施しているとのことですが、その調査結果では横浜市のような大都市は地方の都市と比較してどういう状況なのか、伺います。

○小野環境保全局長
 平成16年度夏期の全国調査には約500団体が参加して行われました。その結果、横浜などの人口100万人以上の大都市は、栃木県の南那須町などの最も星がよく見える地方都市に比べまして平均で約4倍程度の明るい星までしか観察できない最も星の見えにくい地域という評価になっておるところでございます。

○大山委員
 横浜市のような大都市では地方の都市に比べて街路灯や屋外照明などの照明がたくさん使われていますから、夜空が明るくなり、天の川が見えるところなどもほとんどないのでしょうが、星空観察がしにくい状況であると思います。市民生活上必要な照明も多いものとは考えられますけれども、その一方でホテルの宣伝などのために夜空に向けて照射しているサーチライトなどが見受けられます。こうしたものは天文ファンにとっては観察の妨げとなっており、苦情を聞くこともあります。
 そこで、本市におけるサーチライトに対する規制についてどのように考えているのか、伺います。

○小野環境保全局長
 サーチライトなどの照明につきましては、使い方によって大変広い範囲に影響している事例もございます。しかしながら、これまで十分に実態の把握ができておりませんでしたので、まず実態を把握しまして、その結果を踏まえまして規制も視野に入れながら対策を検討してまいりたいと考えております。

○大山委員
 光による居住環境への影響については人それぞれ感じ方が異なると思いますし、また天文ファンなどのように夜空に関心の高い人もいると思います。今後サーチライト対策等を検討していくとのことですが、光害対策を検討する上で他都市ではどのように取り組んでいるのか、また、広く市民の意見を聞くことも必要だと思いますが、パブリックコメントなどどのように進めていくのか、伺います。

○小野環境保全局長
 既に条例でサーチライトを規制している事例も聞いておりますので、全国的な状況をまずは調査してまいりたいと考えております。
 また、市民意見を施策に反映していくために市民アンケートなどを予定いたしておりますけれども、具体的な制度を検討していく段階におきましては御指摘のパブリックコメントなどもあわせて実施してまいりたいと考えております。

○大山委員
 光害は直接人の健康を害するようなものではありませんが、無秩序な照明は多くの人に悪影響を与える可能性もあります。今後多くの立場の意見を取り入れながら本市における光害への対応策を検討していただき、大都市横浜にふさわしい照明環境のルールをつくっていただければと思います。

4. 低公害車の普及促進について
○大山委員
 最後に、低公害車の普及促進について伺ってまいります。
 自動車公害対策としては自動車から発生する粒子状物質や窒素酸化物を抑制することが重要であり、この対策として国による自動車NOχ・PM法や県条例によるディーゼル車の運行規制などが実施されておりますが、低公害車の普及促進も効果的な対策であると考えております。
 このような中で、低公害車の一つである天然ガス自動車の普及促進に向けた国土交通省の新規事業である天然ガス車普及促進モデル事業に対応するものとして、平成17年度の予算において天然ガス車普及促進モデル地域協議会の運営経費を計上しておりますが、まず、モデル事業の内容について伺います。

○小野環境保全局長
 国土交通省によります平成17年度の新規事業となっておりまして、天然ガス自動車普及促進モデル事業を導入していくものでございます。この事業では、地方公共団体が中心となりまして、国、ガス事業者や運送事業者などで構成される地域協議会を設置し、モデル地区を設定しまして、天然ガス自動車導入計画を策定することによりまして国の補助金を導入し、集中的かつ計画的に天然ガス自動車の普及を促進させるものとなっております。

○大山委員
 国土交通省の新規事業への対応となるとのことですが、それでは、具体的にモデル地域に指定されると事業者にとってどのようなメリットがあるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 国土交通省の支援策としまして補助金の優先的な採択がございます。それから、これまでは1社当たり3台以上の申請をしないと採択されないということだったわけですけれども、それが1台でも採択可能になるということがございます。今後さらに国やガス事業者と優遇策について協議していくこととなっております。

○大山委員
 天然ガス車の普及促進がさらに進められるものと期待しておりますが、このモデル事業を今後どのように進めていこうと考えておられるのか、伺います。

○小野環境保全局長
 新年度早々東京ガスやトラック協会等の関係者と協議を始めまして、夏ごろをめどに地域協議会を設置しまして、その中で天然ガス自動車導入計画を策定する予定といたしております。

○大山委員
 関係者の協力を得ながら積極的に進めていただきたいと思います。
 さて、天然ガス車の普及促進には燃料を供給するスタンドの増設が課題の一つであると考えております。現在市内には6カ所のスタンドが設置されておりますが、臨海部を中心に設置されていることから内陸部への増設が普及促進には重要であると考えます。
 そこで、平成17年度に本市所有地を利用した天然ガススタンドの新設を行うことを予定していると聞いておりますが、具体的な内容について伺います。

○小野環境保全局長
 都筑下水処理場の用地を活用しまして、東京ガスを事業主体としまして新規スタンドの建設を行う予定でございます。なお、緑政局所管のよこはま動物園ズーラシアで使用する車両に天然ガス車両を導入しまして、このスタンドを利用してまいりたいと考えております。

○大山委員
 都筑下水処理場の用地を利用してよこはま動物園ズーラシアの車両が新設スタンドを利用するとのことで、まさに3局再編の効果の一つであると考えますが、建設に向けたスケジュールについて伺います。

○小野環境保全局長
 新年度早々に設計協議あるいは諸手続を行いまして、秋には着工いたしまして、18年春の完成、供用を目指して進めてまいります。

○大山委員
 早期完成、供用に向け、今後とも努力していただきたいと思います。
 さて、本市においては天然ガス自動車の購入補助に加え本市独自の補助事業として八都県市指定低公害車の購入補助を実施してきておりますが、平成17年度予算における民間事業者への低公害車普及促進事業費の予算の考え方について伺います。

○小野環境保全局長
 天然ガス自動車導入に対する補助につきまして、これまでは3.5トン以上を対象としてきておりましたが、平成17年度からこれに対しまして3.5トン未満の天然ガス自動車へも補助対象を拡大していくことといたしております。また、補助台数も50台から70台に増加いたします。八都県市指定低公害車導入に対する補助につきましても補助台数を100台から200台に2倍にし対応してまいります。

○大山委員
 対象車両、台数ともに大幅に拡大されるとのことで、市内への低公害車の普及がさらに進められることを期待しております。
 最後に、民間事業者への低公害車普及に向けた考え方について伺います。

○小野環境保全局長
 乗用車などはほとんどが低公害車となっておりますので、特に大きなトラックやバスを中心に天然ガス自動車、八都県市指定低公害車等の民間車両への導入補助を引き続き行ってまいります。また、天然ガススタンドの新設につきましてもさらに検討を進めるなど、今後とも低公害車の普及に努めてまいる所存でございます。

○大山委員
 引き続き市内の低公害車普及に向け努力されますよう要望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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